目次
1、はじめに
当店へお越し頂きまして誠にありがとうございます。本ページは宮大工や伝統建築などの分野のお仕事に就職を考えている方の為の案内ページとなります。宮大工を始めるにあたって基礎中の基礎は加工する為に切れる刃物で刻むことが一番大切です。製作物のクオリティを下げるか上げるかも刃物の切れ味で木材の加工表面の滑らかさも変わってきます。宮大工は小さな祠やお宮から大きな神社やお寺まで様々な伝統建築物を設計、建築、修理や補修を行う専門家となりますが、どうやったら弟子入りできるか?就職はできるのか?など含めて様々に公開されていないことが多く、宮大工になりたい若い方も情報を探すのに困っていることが多いのではないかと思います。本コンテンツでは、そんな宮大工になる為の練習方法から宮大工として一人前になるまでの技術からお金やお休みの話まで余すことなく網羅した説明と解説ページとなります。
1、宮大工とは
一般的に宮大工と世間一般でいわれている分野は伝統建築に携わるすべての分野で、龍を彫ったり獅子を彫ったり、神社を建築したりお寺を建築したりする方々や綺麗に色を塗ったりなど伝統建築に携わる方々の全てが宮大工と思いがちですが、そうではありません。伝統建築の分野には下記のように幅広く細分化されており1つ1つの分野で洗練された技能を持つ職人や技術者がいます。
「伝統建築工匠の技」とは、文化財を保存していく上で欠くことの出来ない技術として文化庁が選定している保存技術のうち、建造物に関連する17種類の技術があります。具体的には「建造物修理」、「建造物木工」、「檜皮葺・柿葺」、「茅葺」、「檜皮採取」、「屋根板製作」、「茅採取」、「建造物装飾」、「建造物彩色」、「建造物漆塗」、「屋根瓦葺(本瓦葺)」、「左官(日本壁)」、「建具製作」、「畳製作」、「装潢修理技術」、「日本産漆生産・精製」、「縁付金箔製造」です。
宮大工はお宮を建築、修理する大工さんとなりますので上記の項目だと「建造物修理」、「建造物木工」という分野が宮大工が一般的に行う分野となります。当店では上記の項目のうち「建造物修理」、「建造物木工」、「屋根板製作」、「建造物装飾」、「建造物彩色」、「建造物漆塗」、「屋根瓦葺(本瓦葺)」、「建具製作」の8分野を社内で対応しており、上記の洗練された伝統技術を後世に残せるように修練と研究を行っております。
下記は参考までに、どんな分野を行うのかを一部作業風景の写真を掲載致します。
大工仕事(刻み)や木工技術
銅板葺きや彫金作業
修復工事中の風景や彩色修理の風景
2、宮大工になる方法は?
宮大工になる為の方法に資格はありません。ですので、私は宮大工ですと言えるかどうかは、一人で神社やお寺を建築したり修復したりすることができるようになれば、宮大工と言えるかと思います。宮大工に実際なる為には「宮大工の工務店に弟子入りする」「宮大工の専門学校などで学んで宮大工の工務店へ就職する」宮大工としてお仕事を行う為には実際に神仏関連の工事や製作物を作る工務店へ就職しなければ宮大工になることはできません。実際にお仕事をしていかないと技術スキルは上がっていきませんので、そういった神仏の修復や作業、工事を行っている工務店への就職が必須条件となります。ただし、なる為のルートとしては
- 宮大工の工務店へアルバイトに行き、そのまま就職する
- 宮大工の工務店へ弟子入りする
- 伝統建築専門の学校などで学んで技術を習得してから工務店へ就職する
- 高校や大学の建築学科などを卒業してから工務店へ弟子入りする
宮大工としての仕事に携わる為には、上記の方法しかありません。
3、宮大工の技術
宮大工の技術は使用する木材をすべて手作業で加工して(これを「手刻み」といいます)。手刻みによる「継手」「仕口」や木工技術を駆使して神社やお寺の設計~建築、修復や修理などを行う技術がメインの技術となります。ただ建築するだけでなく「原寸」と言われる構造物の型を実寸大で起こすテンプレートを起こす技術は宮大工として棟梁になった方や親方のレベルになった極めた職人でないと正確な原寸を行うことができません。※原寸とは建物の構造やパーツをミリ単位で正確に転写する技術となります。大きな神社も小さなお宮もこの原寸という作業は非常に精度が求められかつ、ミスを許されない作業の1つとなります。
4、技術の修練方法
技術の修練としては「刃物研ぎ」が完璧にできる状態を前提条件とした場合
- 仕口や継手を製作できるようになる
- 伝統工法や在来工法など建築一般の知識の習得
- 木材の特性や癖など木工技術の習得
- 図面や原寸などを起こせる技量と経験
- 鑿と鉋の洗練されたスキル
細かくあげればキリがありませんが、主に主たる大きな修練が必要になる部分や上記となります。これから宮大工になろうと考えている方として練習方法もあります。それは、安い鑿や鉋を購入して頂き、刃を砥石で研いで刃物研ぎを完璧にすることが修練の始まり第一歩となります。昔の大工さん達は自分で研いだ鉋や鑿で自分の髭を剃れるようになったら「いっちょまえ」と言われています。このページを読んで実際に髭を剃ってというのは危険なのでやめて頂きたいですが、仕上がった鉋や鑿は何の力もいれずとも腕の産毛が綺麗にそれるほど鋭利な刃物になります。そこまで研がないと実際に刻もうとすると仕事にならないのです。
5、宮大工は研ぎに始まり、研ぎに終わる
実際の作業として切れる鋭利な鉋で削らないとミリ単位で木材を加工することができなくなります。下記は明神鳥居の製作風景の一部となりますが、鉋にも色んな種類の鉋がございます。反り鉋という湾曲した部分を削る為には切れる鉋できちんと鉋掛けしないと綺麗なアール(湾曲部分)を再現することができません。
6、宮大工の働き方
職人さんの朝は非常に早いです。朝8時には現場に到着して道具の準備や1日の段取りを終えた状態にしておきます。それから朝の一服をして八時半や九時ぐらいからは工事が始まる流れとなります。タイムテーブルにすると下記のような感じになります。
- 朝六時頃に起床
- AM 6時半 身支度を整えて現場に向かう
- AM 7時~7時半 現場で段取りの確認や準備を行う
- AM 8時半~9時 現場作業開始
- AM 10時 午前中の休憩(15分程度)
- AM 11時50分から12時50分まで お昼休憩
- PM 15時 午後の休憩
- PM 17時~ 片付け
- PM 17時半 帰宅
例えば、長期的な工事や製作物の場合などは作業の進捗的に15時や16時にあがったりする場合もあります。現場状況にもよりますが基本的に夜までくらいなか残業することは事故の元になるので特殊な環境下でない限りは明るいうちにお仕事をして帰宅する感じになります。
また、休日に関しては工務店さんによって色々とございますが、私共の働き方だと月曜日から金曜日まで働いて土曜日は週に2回のお休み。GWやお盆、お正月はきちんとお休みする流れになっています。やはり工事を行う為、お休みをきちんととらないと体が休まりません。休息も大切なライフワークとなります。他の工務店さんだと日曜日と祝日、お正月しかお休みがない工務店さんもあります。色んな形態がありますので他社さんの事はなんとも言えませんが、一人前になる前の段階でお休みがほしいという感覚があるような場合ですと、一人前になれない方が多いような気が致します。
7、宮大工の給料事情
宮大工の年収は、弟子や見習いの場合で250万~350万円程度が相場と世間一般では言われておりますが、当店の親方が修行した工務店さんだと住み込み丁稚奉公で3年間の間は給料は3万円や5万円などいうお小遣いの領域だったそうです。今の時代では、そんなスーパーブラックはないかとは思いますが弟子の期間については技術もなく肝心の仕事がそもそもできないので、月の給料は20万円前後ぐらいになるかと思います。弊社の場合だとそれだと弟子入りの方も生活ができない為、宮大工の仕事以外にもお仕事をして頂くことで25万円~30万円の間の給料となっています。働き方や育て方は工務店さんによって全然違いますが最低限度ちゃんとした生活ができる給料で頑張って頂いております。
では、仕事ができるようになり色んなものが製作できるようになった場合や現場をこなせるようになってきて親方や棟梁などの一人前の職人になると給料はどうなるかと言いますと600万円~1,000万円、中には億単位の年収になる匠の方もいらっしゃいます。宮大工や伝統建築の分野においての給料は年齢ではなく技術と経験、知識量によって大きく変動するものだといえるでしょう。
8、宮大工や伝統建築分野でのお仕事をしたい方へ
当店では学歴や性別など関係なく「伝統建築への情熱とやる気」がある宮大工になりたい方や伝統建築のお仕事をされたい方を募集しております。全国から受付しておりますのでご興味ある方は下記よりご連絡を頂けますと幸いでございます。
伝統建築 採用担当 鈴木宛
Email : contact@lifepal.biz
電話 : 045-832-8050
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